障害福祉コンサル・国保連請求代行なら

行政書士法人松下崎山事務所

    神奈川県横浜市中区海岸通4-23マリンビル508

障害福祉事業所の施設外就労とは
要件とメリット注意点を行政書士が解説

障害福祉事業所の施設外就労

施設外就労とは、就労継続支援A型・B型などの事業所において、事業所の施設外にある企業・団体等の場所で、利用者が作業を行う形態のことです。

利用者にも事業者にもメリットの大きい施設外就労ですが、要件が細かく決まっております。専門行政書士が解説します。

障害福祉事業所の施設外就労とは?

実地指導の対応

施設外就労とは、就労継続支援A型・B型などの障害福祉サービスにおいて、事業所の施設外にある企業・団体等の場所で、利用者が作業を行う形態のことです。

施設外就労の作業は、原則として請負契約に基づき、事業所が業務を受託し、利用者が支援を受けながら労働・訓練を行います。

定義 事業所外の企業・団体等の場所で作業を行うこと
契約形態 原則「請負契約」:施設が業務を受託し、利用者が作業
対象事業 就労継続支援A型・B型、移行支援
目的 一般就労移行・社会参加・工賃向上など
何のために行うの?

施設外就労のメリット

施設外就労は、単なる就労の場の拡大ではなく、利用者の社会的・職業的自立を促進するための重要な支援形態として、厚生労働省の通知等でもその意義が認められています。

以下に主なメリットを、利用者目線、事業者目線でそれぞれ整理します。

利用者にとってのメリット

 

1.一般就労への移行促進

「施設外就労は、一般就労に近い環境での作業機会を通じて、就労継続支援事業所から一般就労への移行を促すものとして期待されている」

(出典:厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定に関する検討資料(平成30年/令和3年等)」)

ポイント

  • 通常の事業所では体験できない実際の職場に近い環境で作業できる

  • 一般就労への不安を軽減し、スムーズな移行を促進

2.利用者の工賃・賃金向上

「施設外就労により、事業所の収益構造を強化し、結果として利用者工賃の向上につながる場合がある」

 

(出典:厚労省「就労継続支援A型・B型における工賃向上に関する通知・事務連絡」)

ポイント

  • 請負契約による作業が安定すると、事業収入が増加

  • 利用者の工賃・賃金へ還元されやすくなる

3.多様な働き方の提供

 

「施設外就労を通じて、利用者がその能力や希望に応じた多様な働き方を体験できることは、支援の質の向上に資する」

 

(出典:厚労省Q&A、報酬改定関連資料)

ポイント

  • 同じ施設内作業だけでは得られない職種・業務へのアクセス

  • 利用者の職業的な視野を広げる機会になる

4.社会参加の促進

 

「施設外での活動は、利用者の地域社会との接点を増やし、社会的な自立や人間関係の構築に寄与する」

 

(出典:厚労省Q&A、厚労省報酬改定検討資料)

 ポイント

  • 職場の同僚や他の従業員との接点により、対人関係スキルが向上

  • 外出・通勤など生活全体の自立性も向上

 

■ まとめ:施設外就労の主なメリット(利用者目線)

項目 内容
一般就労移行 実践的環境での訓練によりスムーズな就職が可能に
工賃向上 収益性の高い作業により工賃アップが期待できる
働き方の選択肢 様々な業種・職場を経験し、自分に合った働き方を探せる
社会性の向上 地域との関わりや対人関係スキルの向上に

 

事業者向けメリット

施設外就労は、事業所運営上のメリットも大きいです。

事業者向け主なメリットについて解説します。

 

1.【経営面】収益機会の拡大・収益構造の安定化

 

「施設外就労の導入により、施設内作業だけでは獲得が困難な業務(清掃、軽作業、梱包、食品加工など)の請負が可能となり、事業所の収益源を多様化できる」

 

(根拠:厚労省「工賃向上計画策定支援事業 実施要綱」)

✔ 解説

  • 外部企業との請負契約により新たな事業収益が得られる

  • 特に施設内設備に制限がある事業所にとって、スペースを使わず売上を伸ばせるメリットが大きい

2.【報酬面】基本報酬のスコア評価で有利に(就労継続支援A型事業所の場合)

 

「令和6年度報酬改定におけるスコア評価項目のうち、施設外就労の実施状況は、一定の評価指標として設定されている」

 

(根拠:厚生労働省『令和6年度障害福祉サービス等報酬改定 説明資料』)

✔ 解説

  • 施設外就労の導入・実施がスコア評価の対象項目の1つとなっている

  • スコアが上がることで、基本報酬の単位数も上昇する(スコア方式)

  • 実施頻度や契約件数によっては、報酬上の評価加点につながる

3.【経営安定】企業連携による地域基盤の強化

 

「地域企業との継続的な連携は、事業所の運営基盤を強化し、行政・地域社会からの信頼性向上にも資する」

 

(根拠:厚生労働省「障害福祉サービスの地域連携に関する報告書」)

✔ 解説

  • 施設外就労の受け入れ先となる企業との継続的関係性が、地域との連携強化につながる

  • 企業からの紹介・評判が、新たな契約先の開拓にも波及

 

4.【定員外カウント】一定の要件を満たせば事業所の定員に含めなくてよい

 

「就労継続支援事業等において、施設外就労に従事する利用者は、一定の要件を満たす場合、定員管理上、当該事業所の定員には含めなくて差し支えない。」


(出典:厚生労働省「障害福祉サービス等の指定に係る運営基準に関するQ&A」ほか)

 

✔ 解説

  • 施設外就労者は「定員外」で扱える
 
 例えば定員20名のA型事業所で施設内就労者が20名いても、施設外就労者を別に受け入れ可能
 
  • 定員超過とならない
​  
 通常、定員を超えると報酬減算や指導の対象になるが、施設外就労者はカウントされないためリスク回避が可能
 
  • 実質的に定員以上の運営が可能
 
 例えば「定員20名+施設外就労者5名」のような運営が可能になり、収益増・支援実績の向上に直結

事業者にとって特にメリットの大きい「定員外カウント」ですが、認められるためには以下の条件を満たす必要がありますのでご注意ください。

要件 解説
1. 施設外就労であることが明確である 請負契約・現場の経営実態など、施設外就労の正式な要件を満たしていること
2. 利用者が「毎日施設外で従事している」等の継続性があること 短時間・単発的な外出作業ではなく、実質的に常時外部で就労している
3. 市区町村(指定権者)に事前説明・報告していること 特に定員超過とならないように、あらかじめ運営規程・個別支援計画等に明記しておく必要あり
4. 帳票・記録の整備 出勤簿、実績記録表等で外部就労の事実が記録されていること(監査時確認対象)

施設外就労の要件は?

施設外就労で報酬を算定するには、以下のすべての要件を満たす必要があります。

●施設外就労先の企業とは、請負作業に関する契約を締結すること。

なお、契約締結の際には、以下のことに留意すること。 

(ア)請負契約の中で、作業の完成についての財政上及び法律上のすべての責任は事

業所を運営する法人が負うものであることが明確にされていること。 

(イ)施設外就労先から事業所を運営する法人に支払われる報酬は、完成された作業

の内容に応じて算定されるものであること。 

(ウ)施設外就労先の企業から作業に要する機械、設備等を借り入れる場合には、賃

貸借契約又は使用賃借契約が締結されていること。また、施設外就労先の企業か

ら作業に要する材料等の供給を受ける場合には、代金の支払い等の必要な事項

について明確な定めを置くこと。 

● 請け負った作業についての利用者に対する必要な指導等は事業所が行うこと。 

(ア)事業所は請け負った作業を施設外就労先の企業から独立して行い、利用者に対

する指導等については事業所が自ら行うこと。 

(イ)事業所が請け負った作業について、利用者と施設外就労先の企業の従業員が共

同で処理していないこと。 

● 利用者と事業所との関係は、事業所の施設内で行われる作業の場合と同様であ

ること。 

● 施設の運営規程に施設外就労について明記し、当該就労について規則を設ける

とともに、対象者は事前に個別支援計画に規定すること。また、訓練目標に対する

達成度の評価等を行った結果、必要と認められる場合には、施設外就労の目標その

他個別支援計画の内容の見直しを行うこと。 

● 実績の報告については、報酬請求に当たり、事業所からの毎月の報告を不要とす

るが、事業所には施設外就労の実績記録書類を作成・保存し、地方公共団体の判断

で利用者の訓練状況等の実態把握が必要な場合には、事業所に確認すること。 

● 施設外就労に随行する支援員の業務 

施設外就労に随行する支援員は、就労先企業等の協力を得て、以下の業務を行う。 

(ア)事業の対象となる障害者の作業程度、意向、能力等の状況把握 

(イ)施設外就労先の企業における作業の実施に向けての調整 

(ウ)作業指導等、対象者が施設外就労を行うために必要な支援 

(エ)施設外就労についてのノウハウの蓄積及び提供 

(オ)施設外就労先の企業や対象者の家族との連携 

(カ)その他上記以外に必要な業務 

●関係機関との連携 

都道府県及び実施施設は、この事業の実施について、都道府県労働局、地域障

害者職業センター、公共職業安定所、委託企業等の関係機関と連携を密にし、事

業が円滑に行われるように努めるものとする。 

施設外就労をご検討なら

就労継続支援 施設外就労

代表の松下愛です。
あなたのお悩みを解決します!​

就労継続支援事業所にとって施設外就労は大きなメリットがあります。

しかし厳格な要件のもと認められるものですので、慎重に運用することが大切です。

幣事務所では事業者さまと共に考え、最適なご提案を通して安心で安定した事業所運営のお役に立つことが願いです。

施設外就労をご検討の事業所さまは、どうぞお気軽にお問合せいただけましたら幸いです。

関連するページのご紹介

こちらのページを読んだ方には、下記のページもよく読まれています。ぜひご一読ください。

障害福祉事業所の施設外就労
就労継続支援A型の法改正について
就労継続支援B型の法改正について
国保連請求代行への問い合わせ

お問合せはお気軽にどうぞ

045-827-3640
受付時間
9:00~17:00
定休日
土曜・日曜・祝日

(予めご連絡いただければ随時対応いたします)

お問合せは
お気軽にどうぞ

障害福祉・国保連請求代行行政書士

お電話でのお問合せ・相談予約

045-827-3640

<受付時間>
9:00~17:00
定休日:土曜・日曜・祝日

(予めご連絡いただければ随時対応いたします)

フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。

行政書士法人
松下崎山事務所

住所

〒231-0002
横浜市中区海岸通4-23
マリンビル508

アクセス

みなとみらい線馬車道駅
徒歩3分
有料駐車場あり

受付時間

9:00~17:00

定休日

土曜・日曜・祝日
(予めご連絡いただければ随時対応いたします)

新着情報・お知らせ

2025/1/28
国保連請求代行サービスご案内ページを更新しました
2024/12/25
処遇改善加算とは」解説ページを更新しました
2024/11/15
ホームページを公開しました